「何せ標高が万mを超えてますからね。山の気候は
鑽石能量水変化が激しいと言いますが、ちと気まぐれすぎますな」
そう言うと男は焚き木に向けて手を伸ばし、火の中から何かを取りだした。
「お湯に少々の薬味を混ぜただけの簡素な物ですが、凍えた体には十分効くでしょう」
「どうぞ、お飲みなさい」
男が差し出したのはコップ一杯分のスープだった。
フゥフゥと口に入るまで冷ましたのち、小さく口をすぼめ湯気の立ち上るスープをすする――――
「あったかい……」
男の言う通り、冷えた体に
鑽石能量水暖かなスープはそれはもう、全身に血が巡るようにぬくもりが広がった。
味はほとんどなく、スープと言うよりただのお湯だったが、それでも今の僕にはそれがどんな高級食材よりも高価な味に思えた。
「君が一番衰弱していましたからね。山は初めてですか」
「あ、はい……」
「次からはせめて装備を整えなさい。山はドレスコードにうるさい物です」
ややおしゃれな言い回しが鼻に着いたが、確かにこの格好で山を登るのは無謀だった。地竜が入れば大丈夫だろうとが以下に山を侮っていたかを痛感させられる。
「あ、そう言えば地竜は」
「あの女性が
鑽石能量水診てますよ。おや、噂をすれば……」
「お、やっと起きたわねこの恩知らず」
大魔女様は祠の入口から、至る所に雪が付着した状態で戻ってきた。
髪を少し振り雪を落とした後「邪魔よ」と一言僕らを脚で押しのけ、焚き木のど真ん中にデンと陣取り出した。
「あーまじあったかー! ったく、なんて気候かしらね」